SSL証明書の違いを解説、企業認証・EV認証のメリットとは

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Web サイトの HTTPS 化には、SSL 証明書が必要となります。
SSL 証明書には複数の種類が存在し、取得コストや認証情報がそれぞれ異なります。

SSL 証明書の3種類と、コストやメリットについて解説します。



ドメインの所有権を証明する「ドメイン証明書 (DV)」

SSL証明書の中で広く使われているのが ドメイン認証 (DV) です。

「そのドメインを所有している」ことが確認できれば、証明書が発行されます。
ドメインの所有確認だけなので、発行手続きも簡単・コストも低いというメリットがあります。

 
有料証明書の場合は、年間 1,000円~10,000円 ほどで、個人でも簡単に取得できます。
Let’s Encrypt を利用すれば、無料で取得することも可能です。

無料で HTTPS に対応できる Let’s Encrypt とは

 
取得が容易な反面、サイトの信頼性を証明する用途としては弱い証明書です。
個人情報などを取り扱うサイトでは、後述の「企業認証」以上を用いることを推奨します。

実在する企業を証明する「企業証明書 (OV)」

運営企業が実在することを証明できるのが 企業認証 (OV) です。

「ドメインの所有権」に加えて「運営企業が存在しているか」も確認されます。
個人では取得できず、証明書発行には電話確認や(場合によって)登記情報などが必要です。

 
証明書の年間コストは 40,000円~100,000円 ほどで、発行には数日を要します。
複数のベンダーから提供されており、価格や発行に掛かる日数がそれぞれ異なります。

通信暗号化の機能などはドメイン証明書と差がありませんが、証明書の中に企業情報や所在地情報を含められるため、信頼度が高くなります。

企業の公式 Web サイトなどでよく利用されています。

厳格な認証で高い信頼性のある「EV 証明書」

信頼性が最も高い証明書は EV 証明書 です。「EV SSL 証明書」とも呼ばれます。
業界共通のガイドラインに沿った厳格な審査を経ることで、証明書が発行されます。

EV証明書で審査されるポイント

  • ドメインの所有権
  • 企業の実在確認
  • 企業所在地の確認
  • 責任者の確認

証明書の年間コストは 50,000円~250,000円 と、他と比べても高額です。
審査に時間を要するため、発行までには2週間程掛かります。

 
EV証明書を使用すると、アドレスバーに企業名が表示されるといったメリットがあります。
間違いなくその企業のWebサイトであるとひと目で分かる安心感が特徴です。

個人情報を扱うサイトや金融機関など、高いセキュリティを求められる場面で利用されています。

まとめ

Webサイトの HTTPS 化で必須となる、SSL 証明書について解説しました。

HTTPS 化の普及で証明書に触れる機会が増えています。
違いについて知っておくことで、より安心できる・信頼性の高いサイト運営に繋がります。

サイトの特性やコストなどを考慮した上で、適切な証明書を活用しましょう。

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