AWS EC2 には様々なインスタンスタイプが用意されています。
タイプごとに大きく異なる点は、CPU・メモリ・ディスクの性能です。
用途に応じて適切なタイプを選択することが重要となります。
今回は、主要なインスタンスタイプ3つピックアップして違いを解説します。
- T シリーズ : 負荷が低めの開発環境向き
- C シリーズ : 高負荷の掛かる本番サーバー向き
- R シリーズ : 大容量メモリが必要なデータベース向き
T3 / T2 インスタンスは小規模サーバーに最適
EC2 で利用できる小規模インスタンスが T シリーズです。
最新世代の「T3」と、一世代前の「T2」が提供されています。
基本的には T3 インスタンスの方が T2 よりも優れており、価格も安くなっています。
今から使う場合は、特に理由がない限り T3 を利用しましょう。
性能がそれほど高くない代わりに、コストが低く抑えられています。
最小の t3.nano
では、1時間あたり 0.0068ドル (1ヶ月5ドル前後) で利用できます。
T シリーズの特徴は、CPU のバースト機能です。
通常時は、「CPU クレジット」と呼ばれる CPU 性能の貯金が溜まります。
サーバーに負荷が掛かり始めると、貯金を使って CPU パワーが一時的に増強されます。
開発環境など「負荷が低めのサーバー」に最適です。
CPU パワーが必要なサーバーには C5 / C4 インスタンス
本番環境など CPU パワーが必要な場面では C シリーズがオススメです。
最新世代の「C5」と、一世代前の「C4」が提供されています。
C5 インスタンスでは、1コアあたり最大 3.5GHz で動作する CPU が搭載されています。
最大サイズを利用すると、72コア・144GB のメモリが利用可能です。
CPU だけでなく、ネットワーク速度やディスクとの接続帯域も広く確保されています。
高速なレスポンスが求められる場合は、C シリーズが最適です。
CPU は強力なものが利用できますが、メモリ搭載量はあまり多くありません。
メモリ容量を重視する場合は、後述の R シリーズを利用しましょう。
主な用途は、Web サーバー・バッチ処理・分析処理・動画エンコードなどです。
大容量メモリが必要なサーバーには R5 / R4 インスタンス
データベースサーバーなど、大量のメモリを要する場合は R シリーズを推奨します。
最新世代の「R5」と、一世代前の「R4」が提供されています。
R5 インスタンスでは、一番下のタイプでも 16GB のメモリが搭載されています。
最大サイズの R5.24xlarge では、768GB のメモリが利用可能です。
他のシリーズと比べて、メモリ搭載量と価格のバランスが優れている特徴を持ちます。
C5 シリーズ: c5.2xlarge 0.428ドル/時
R5 シリーズ: r5.large 0.152ドル/時
主な用途は、データベース(MySQL, PosgreSQL)・キャッシュ(Redis, memcahced)などです。
まとめ
AWS EC2 におけるインスタンスタイプの違いを解説しました。
アルファベットによって特性が異なり、数字の部分はインスタンスの世代を表しています。
- T シリーズ : 小規模サーバー
- C シリーズ : CPU 重視
- R シリーズ : メモリ重視
なお、インスタンスタイプは後から変更することも可能です。
サーバーの用途に応じて、適切なインスタンスタイプを選択しましょう。
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