世界で使われている3大クラウド(AWS, GCP, Azure)の紹介です。
今回はコンピューティング編として、
クラウドサービスで最もよく使われている「仮想サーバー機能」を比較します。
3大クラウドの VM 比較表
AWS, Azure, GCP の仮想サーバー機能をまとめました。
それぞれの詳細については後述します。
クラウド | 構成 | 起動時間 | 課金 | 国内リージョン |
---|---|---|---|---|
AWS | パターン選択 | 約1分 | 1秒単位 | 2つ ※ |
Azure | パターン選択 | 約2分 | 1分単位 | 2つ |
GCP | 任意変更可 | 約40秒 | 1秒単位 | 2つ |
※AWS 大阪ローカルリージョンは一部ユーザのみ利用可能
いずれのクラウドを選択しても大きな差はありません。
既存のシステムがある場合は、同じクラウドに載せる案が確実と言えるでしょう。
仮想サーバー機能のみに着目すると、おすすめポイントは次の通りです。
- AWS : 導入実績・豊富な情報量のある大手を利用したい場合
- Azure : 国内2拠点に展開する場合や Windows で使う場合
- GCP : 2拠点展開をする場合やサーバの増減を高速に行いたい場合
AWS (Amazon Web Services)
まずはクラウドサービスの王者、AWS です。市場シェアもトップを独走しています。
AWS における仮想サーバーは「EC2」となります。
- 定められたマシンタイプから選択して起動
- インスタンス作成時間は1分ほど
- 1秒単位の課金
- 日本国内のリージョン: 東京・大阪
EC2 に限らず、AWS はインターネット上で得られる情報が豊富です。
AWS 公式サイトからは、詳細なドキュメントやスライドを参照できます。
その他にも、IT 各社のエンジニアブログや、個人ブログでよく取り上げられます。
サーバーを配置するリージョンは、東京・大阪の2箇所です。
大阪は特殊なリージョンとなっており、限られたユーザしか利用できません。
⇒ EC2 料金の節約テクニック
⇒ EC2 インスタンスタイプの選び方
Microsoft Azure
Microsoft のクラウドサービスで、AWS と GCP の中間ほどのシェアです。
Azure における仮想サーバーは「Virtual Machine」となります。
- 定められた構成から選択して起動
- インスタンス起動時間は数分ほど
- 1分単位の課金
- 日本国内のリージョン: 東日本・西日本
Microsoft が提供していることもあり、Windows Server の実行環境としてよく利用されます。
また、オンプレミスの Active Directory とも相性が良いです。
今回紹介する中では唯一、東日本と西日本に完全なリージョンが用意されています。
日本国内で災害対策環境を構築する場合は、Azure が有力な選択肢となります。
GCP (Google Cloud Platform)
Google が提供するクラウドサービスで、近年シェアを伸ばしつつあります。
有名どころのサービスでは、ポケモン GO や AbemaTV が GCP 上で提供されています。
2019年5月より大阪リージョンが提供開始となり、
日本国内だけでマルチリージョン運用が行えるようになりました。
- CPU, メモリなどを自由に組み合わせ可能
- インスタンス起動時間は40秒ほど
- 1秒単位の課金
- 日本国内のリージョン: 東京・大阪
他の2クラウドと異なり、自由にスペックを決めることができます。
CPU だけ積んだり、メモリだけ積んだりといった構成も自由に組めことが可能です。
インスタンスの起動時間も非常に短く、1分も待たずにサーバーが利用可能となります。
GCP 側のメンテナンス時でも VM 停止が発生しないため、可用性が非常に高いのも特徴です。
まとめ
3大クラウドの仮想サーバー機能を比較しました。
AWS, Azure, GCP ともに異なる特徴をもつクラウドサービスであると言えます。
以下のような要件に注目して、適切なサービスを選択しましょう。
- 構築するサーバーの用途
- 利用したいOS
- 複数リージョンによる冗長化の必要有無
- 他のマネージドサービスとの連携