AWS とは何か? クラウドと AWS の活用事例をわかりやすく解説

クラウドサービス

AWS (Amazon Web Services) は、世界中で最も利用されているクラウドです。

クラウドとは、インターネット経由でサーバーなどを借りられるサービスのことを指し、
「インフラ構成やサーバー構成を柔軟に変えられる」という特徴を持ちます。

今回は、クラウドの概要や活用事例、AWS について分かりやすく解説します。



クラウドでは「サーバーが必要なときに必要な分だけ借りられる」

クラウドサービスでは、必要な分だけサーバーを借りることができます。
サーバーの購入や構築、運用やメンテナンスといった手間は掛かりません。

レンタルサーバーに近いイメージですが、より柔軟に利用できるのがクラウドです。
利用時間に応じて料金が発生し、分単位でサーバーを借りることも可能です。

1台から数十台、数百台までも自由に増やせる拡張性の高さが特徴です。
データセンターやラックの制限、ハードウェアの世代を意識する必要もありません。

AWS (Amazon Web Services) とは何か

通販サイトとして有名な「Amazon」が提供するクラウドサービスです。
業界の先がけとして歴史も長く、世界で一番利用されているクラウドが「AWS」です。

仮想サーバーはもちろん、データベースやストレージ単体でも借りられます。
いずれも「利用した分だけ」の料金で、秒単位や時間単位で課金が行われます。

 
AWS では、世界中のデータセンターから好きな場所を選んで利用できます。
日本では東京と大阪に用意されており、通信遅延もほぼありません。

また、世界中のサーバーを借りられるため災害対策の面でもメリットがあります。
国内の複数地域や近隣国へサーバーを分散することで、災害リスクの低減が可能です。

AWS のサーバー設置場所まとめ

クラウドの活用事例

サーバー100台を1日だけ借りる

ニューヨーク・タイムズ社は、過去130年分の新聞をデジタル化する必要がありました。
膨大な画像データを処理するために、AWS が活躍しています。

社内のサーバーでは数年掛かる処理を、AWS でサーバーを100台借りて1日で終えました。
利用料金は使った分だけですので、その後の費用は発生していません。

需要に応じてサーバーを増減する

動画配信サービスの「Netflix」は、AWS のサーバーを利用しています。
利用者数には波があり、午前は利用が少なく午後から夜にかけてピークを迎えます。

そこで、負荷に応じて自動的にサーバーを増減させることで、コストを最適化しています。
人が少ない時間はサーバーも少なく、夜のピーク時にはサーバーも多くなっています。

開発用のサーバーとして利用する

平日の日中だけ利用する「開発用サーバー」としても活用できます。
夜間や休日の止めている時間には、利用料金が発生しません。

一時的にサーバーや環境を増やしたい場合も、クラウドならすぐに対応できます。

AWS やクラウドのメリット

サーバー費用を最適化できる

サーバーを購入する必要がなく、故障したときの買い替えも発生しません。
使った時に使った分だけ払えば良いので、コストの最適化が可能です。

性能やディスク容量も後から自由に変えられるため、
自前でサーバーを購入するよりも柔軟に対応することができます。

最初は小さく始めてコストを抑えておき、
事業の拡大に応じてサーバーを増やす。といった対応も簡単です。

インフラ構築のスピードが速い

事前に用意されたサーバーやサービスを借りるため、すぐに利用可能です。
管理画面上から操作するだけで、1分もあればサーバーが用意できます。

急にアクセスが殺到したのでサーバーを増やす、といった場面でも
AWS などのクラウドサービスであれば迅速に対応できます。

パフォーマンス(サーバー性能)が高い

クラウドサービスのサーバーは定期的に最新化されており、
サーバーを買い替えることなく常に最新世代の環境を利用できます。

オンプレミス(自前運用)では一度購入したサーバーをしばらく使い続けるため、
常にサーバーが最新化される点はクラウドのメリットと言えます。

Amazon の最新技術を利用できる

仮想サーバー以外にも多数のサービスが用意されています。
いずれも利用した分だけ請求されるため、少し試すといった使い方も可能です。

  • 負荷に応じたサーバー台数の自動拡張
  • 容量無制限のファイルストレージ
  • データベース
  • メール配信・モバイル通知
  • ビデオ配信・ビデオ中継
  • 機械学習・人工知能(AI)
  • IoT 機器との接続
  • 大量データ分析
  • セキュリティ管理
  • AWS 利用時の監査ログ



AWS やクラウドのデメリット

インフラコストが変動費になる

「使った分だけの利用料金」となるため、コストが変動費となります。
毎月の費用が正確に読めない点は、デメリットになる場合がありそうです。

AWS に関する知見が必要

AWS では非常に多くのサービスが提供されています。
通常のサーバー構築の知識とは別に、クラウドに関する知見が欠かせません。

適切なサービスを選定するためのノウハウや設計能力が求められます。
クラウドの知見を提供してくれる AWS パートナー企業に頼るのも一つの手です。

AWS 側のメンテナンスに左右される

基本的に全サービスが止まるといったことはありませんが、
特定のサーバーがメンテナンスで一時中断することは起こり得ます。

AWS 自身が推奨しているように、サーバーを複数台構成にしてメンテナンスの影響を回避するといったシステム面での工夫が必要です。

AWS は採用事例が豊富に揃っている

AWS では、有名なサービスが数多く提供されています。
航空会社や新聞、金融機関でも利用されています。

  • ANA (全日空)
  • 日本経済新聞
  • 三菱東京 UFJ 銀行
  • マネックス証券
  • 任天堂
  • NTT ドコモ
  • KDDI (au)
  • フジテレビ
  • ローソン
  • スマートニュース
  • クックパッド
  • NETFLIX (ネットフリックス)

AWS やクラウドのセキュリティは大丈夫か?

AWS やクラウドにおける便利な点はこれまで紹介した通りですが、
個人情報や機密情報を扱う上でのセキュリティ面が気になるところです。

AWS では、サーバーを保護するセキュリティ対策にも力を入れています。

 
データセンターの管理・利用者ごとに分離されたネットワーク・サービス間の通信暗号化など、幅広い対策が取られており、セキュリティに関する各種認証も取得しています。

下手に自前でデータセンターを運用するよりも高いセキュリティが確保可能です。
金融機関や大手企業が採用していることからも、信頼性の高さが伺えます。

まとめ

クラウドサービスや、AWS の概要について解説しました。
サーバーの購入や構築・運用などが不要になる点が大きなメリットです。

物理的なサーバーの管理やインフラ面の手間を削減できる分、
アプリケーションや業務システムの開発に専念することができます。

時間帯や季節によって負荷が大きく変動するシステムにも最適です。
クラウドの特性を理解した上で、機会があればぜひ一度お試しください。

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