サーバー強化の「スケールアップ」と「スケールアウト」の違い・使い分けを解説します。
「スケールアップ」は既にあるサーバーを増強すること、
「スケールアウト」はサーバーの台数を増やすことを意味しています。
「スケールアップ」は既存サーバーを強化する
スケールアップでは、サーバーそのものの性能を引き上げます。
サーバーのメモリ・CPU の数を増やすことで、性能の引き上げを図ります。
レンタルサーバーやクラウドサービスの場合は、
契約変更や設定変更だけでサーバーの性能を切り替えられることが多いです。
スケールアップのメリットは「システム構成が変化しない」ことです。
1台のサーバーで複数の処理を捌いている場合は、スケールアップのほうが容易となります。
デメリットは、「サーバー1台の性能には上限がある」ことです。
サーバーを強化し続けるとしても、物理的な制約や規格の上限といった壁が存在します。
「スケールアウト」はサーバーの台数を増やす
一方のスケールアウトでは、サーバー自体の数を増やして対応します。
2台だった Web サーバーを3台や4台に増やすことで、全体の処理能力を向上させます。
スケールアウトは、AWS・Azure・GCP などのクラウドサービスと非常に相性が良いです。
クラウドでは自由にサーバーを増減できるため、必要に応じてサーバー台数を調節できます。
メリットとしては、サーバーを増やせば増やすほど処理能力を向上できることです。
Web サーバーなどの、アクセス数が変動しやすい箇所にはスケールアウトが適しています。
デメリットは、サーバーが複数台に分散しても動くシステムにする必要がある点です。
ロードバランサーの導入やセッション情報の管理など、設計段階での考慮が欠かせません。
「スケールアップ」と「スケールアウト」の使い分け
スケールアップとスケールアウト、どちらにもメリット・デメリットが存在します。
どのように使い分けるほうが良いか、判断ポイントを紹介します。
スケールアップは小規模システムにオススメ
- データベースのマスタなど複数台運用が難しいサーバー
- 小規模なシステム
- 1つのサーバーに役割を集中させている場合
- 頻繁な性能強化が必要ないシステム
- 自前でサーバーを運用している場合
スケールアウトは大規模なシステムに最適
- Webサーバーなど複数台でも動かしやすいサーバー
- 今後も継続して性能強化が必要なシステム
- サーバーごとに役割が分担できている場合
- 大量アクセスを想定しているシステム
- クラウドサービスを活用している場合
まとめ
サーバー性能強化の「スケールアップ」と「スケールアウト」について解説しました。
どちらが良い・悪いではなく、場面に応じた使い分けが肝心です。
それぞれの特徴を理解した上で、必要な方法を選択することがサーバーの安定運用に繋がります。
【関連記事】
⇒ システムのスケールについて解説
⇒ CentOS が重いときの確認コマンド
⇒ WordPress が遅いときの対処法
⇒ エックスサーバーの WordPress 高速化設定
⇒ レンタルサーバー・VPS・自宅サーバーの比較