GCPのオブジェクトストレージ「Google Cloud Storage」の解説です。
サービスの概要や料金体系に加えて、4種類あるストレージクラスの使い分けについて紹介します。
GCPのストレージサービス「Google Cloud Storage」
Google Cloud Storage (GCS) は、GCPで提供されるオブジェクトストレージです。
クラウドサービスの大手 AWS では、「AWS S3」が同様のサービスになります。
オブジェクトストレージは拡張性に優れているほか、HTTP 経由でデータにアクセスできる特徴を持っているため、Web サービスとの相性が抜群です。
音楽配信サービスの「Spotify」も Google Cloud Storage を活用しており、増え続ける音楽データの保管場所として利用しています。
オブジェクトストレージの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
GCSにはストレージクラスが4種類
Google Cloud Storage では、4種類のストレージクラスが選択できます。
可用性(サービスの提供水準・稼働時間の保障)はクラスによって異なりますが、
耐久性(データが消失しない確率)は「99.999999999%」で全クラス同一です。
ストレージクラス | 可用性 | データ保管場所 | 利用頻度の目安 | コスト/GB |
---|---|---|---|---|
Multi-Regional | 99.95% | 複数の地域 | 頻繁 | $0.026 |
Regional | 99.90% | 1地域内の複数拠点 | 頻繁 | $0.020~$0.035 |
Nearline | 99% | 1地域 | 月1回未満 | $0.010~$0.020 |
Coldline | 99% | 1地域 | 年1回未満 | $0.007~$0.014 |
利用頻度とコストを考慮してストレージクラスを選択する
ストレージクラスの表を見ると分かる通り、可用性と利用頻度によって料金が異なります。
上に行くほど「利用頻度の高いデータ」に向いており、頻繁に更新されるファイルに使います。また、複数の地域にデータが配置されるため稼働率が高まります。
下に行くほど「利用頻度の低いデータ」向きで、主にバックアップ用途で使用します。滅多にアクセスしないけど残しておきたい、といったデータに最適です。
Nearline と Coldline 利用時の注意点
Nearline
と Coldline
には、「最低保存期間」と「データ取得料金」が設定されています。
- データを保存すると、最低でも30日or90日分の保管料金が発生する。
- 保存したデータを取り出す際に、サイズに応じて料金が発生する。
まとめ
GCP のストレージサービス「Google Cloud Storage」を解説しました。
「AWS S3」と並んでよく使われるオブジェクトストレージの一つです。
ストレージクラスが4種類設定されているため、用途によって使い分けることが重要となります。
事前にコストを計算した上で、適切なストレージクラスを選択しましょう。
【関連記事】